読んだ本の記録「謙虚なコンサルティング」エドガー・H・シャイン

組織のコーチングをしていると、いつもある関心事は「私は本当の支援ができているだろうか?」というこの1点です。


コーチングという立場が、自分がですぎることなく、成果や手柄は全部クライアントが自分で作り出すための「きっかけ」や「気づき」をメイキングする質問だったり日常からの問いかけ、会議の仕切りなど、コーチングの仕組みを使って「存在する」ことが大切だと自分の役割を認識しているので、クライアントによっては、もしくは何も知らない人たちからすると何をやっているのかわかりにくいということもあり、やってることを説明する時に理解してもらえてないようでたまにモヤモヤとすることもあります。


今年は、あらためて「本当の支援」を追求したいと思っていたので、ふとこの本を見つけて読んでみました。

必要な時に、必要なものが目に飛び込んでくる人間の本能は素晴らしいですね。


そういえばエドガー・H・シャイン氏は以前「問いかける技術」を読んでました。

この方は有名な組織コーチングの方で共感・感銘を受けた本だったことを思い出しました。


「謙虚なコンサルティング」を読んでみて、これはまさにコーチングのアプローチそのものだと感じます。


著者によると、長年のコンサルティングの経験で、専門家として提供する情報と助言またはそのどちらかが、ぴったりハマるのは「範囲の限定された単純な」問題に対してだけで、現在は未来に対して複雑で厄介な問題を抱える企業が多く、コンサルタントを入れてもうまくいかないその殆どが、組織文化やDNAの問題であることも多いため、「プロセス・コンサルタント」でないとうまく行きにくい、とあります。


著者のいうプロセスコンサルタントとは何かというと、「基本的な機能やミッションに関して、組織内のグループが必要のあることをより効果的にできるように手伝う人」になることが重要。

そしてこれが「本当に支援」であるという。

そのためには前提条件としてパーソナライゼーションが大事で

最低でもレベル2の信頼関係・素直な感情を表せる関係にならないと、本当の支援ができない。

それはこれまでにない個人的な関係がある、ということで、謙虚なコンサルティングでは初めて言葉を交わす瞬間から新しい対応の仕方が重要になり、謙虚な姿勢と支援したいという積極的な気持ちと純粋な好奇心が必要であり、そのためにはコーチングの「聴く」というスキルが大切になってくる。

レベル1の関係はビジネス上の少し距離感のある関係
レベル3は行き過ぎた関係

レベル2の打ち解けた関係になることがまず重要。


そして、著者のいう「アダプティブ・ムーヴ」(介入)ができるようになることはこれからのリーダーや親にとても重要なことであり、これからの未来誰でも必ず「どうしていいかわからない状況」になるはずで、その時には勇気をもってレベル2の関係になり、気付きを促すアダプティブ・ムーブに持っていくことが大事。


そんな内容にぴったりの成功事例・失敗事例が謙虚に記されていて、
今、自分が行っている関わり方・パーソナライゼーションが間違っていなかったこと。
その後のアダプティブ・ムーヴへの流れも実践として行っている内容そのもので、アメリカの大きな会社で必要とされるような仕事の内容を自分も行っていること、これでいいんだ、さらにもっと洗練させて謙虚な自分でいたい、となにか内部からエネルギーが湧いてきました。


最初から「コーチング・バイブル」という本を私のバイブルとしていたのがよかったのかもしれない。

「謙虚なコンサルティング」は私の新しいバイブルになりました。

読んでよかったです。


ヒカル








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