福岡ワイン会ピープル_ワインは仕事!

「東京ワイン会ピープル」という本を読んで、

ワイン会っちゅうのは(魑魅魍魎でも出てきそうな)すっごいところだな!

今後の勉強のために潜入調査をせねば!と目論んでいたら、今年に入ってすでにワイン会ピープルの仲間入りくらい、ワイン会に出てはワインを勉強しまくっています。

「求めよさらば与えられん」ですね。

今日は特に上質な52回も続いているという、大人のワイン会に参加することができました。
主催者が素晴らしくて、安心感があり、とてもちゃんとした良いワイン会でした。
このようなワイン会に出会えて幸運です。

持つべきものは、素敵なことや素晴らしい人を紹介してくれる気の合う友人です。Yさんありがとう!
自分ひとりだったら全くここまでたどり着けないところを、誰かの紹介があれば一足飛びに目的に達するスピードが全然違うということを、ワインを勉強しはじめてからますます肌で感じております。


おりしも昨年からイタリアワインも教材を申し込み、つい最近までピエモンテ州のワインと料理を勉強中だったので、今回のピエモンテ州特集、とくにネッビオーロを中心に捉えたワイン会ということで、心踊ります。


当然ながら、ワインの品揃えが本当に素晴らしかったです。

(スプマンテ)
・Bruno Giacosa スプマンテエクストラ2007 
 ブランドノワール:ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100%


11年前のメトードクラシコ製法(シャンパーニュ方式)で作られた、ヴィンテージのスプマンテというのは今まで飲んだことがなく、スプマンテがこんな長熟にも堪えられるものなんだ、と驚き。

ピノ・ノワールってやはりすごいポテンシャルなのだな、と感動。

黄金色の細かい泡の勢い。ふくよかな風味と11年を感じさせない若々しいフルーティーな香り。
パン・ド・ミというかイーストの香りがぐっときました。

一皿目の菊芋と黒トリュフのフランのトリュフの香りにも負けないスプマンテでまずびっくり!

2杯めの白はランゲリースリング2015

お恥ずかしながら、イタリアのリースリングは初めていただきました。
ドイツやアルザスのものとはまた違っていて、蜂蜜やレモン、硬めの桃など甘酸っぱい香りと、すっきりとした強い酸味で食欲のわくような、酸味のある料理にあう辛口のリースリングでした。

↑3種前菜盛り合わせ 
ワカサギのスカペーチェ、ピーマンの詰め物、仔牛のトンナートのピエモンテ地方のポピュラーな料理。ピエモンテは古くから隣接するリグーリアとの行商が盛んだったとのことで、海に面していないわりに、塩、アンチョビ、ツナ、オリーブオイルがリグーリアから届けられていたそうで、スカペーチェも山の川で捕れる魚で作られていたんだろうな〜。

今回は季節の魚ということでワカサギのスカペーチェということでした。

3杯目の白ワインはPoderi Aldo Conterno ランゲ・ブッシャドール2011(写真右)
シャルドネです。

泣く子も黙る‥アルド・コンテルノの白の最高峰、グランブッシアの白版と呼ばれているそうです。
100%新樽で熟成させるこの白ワインの生産量は、最大でも27樽のみということで希少なワインなんですね〜。

素晴らしい黄金色で樽の効いたなんともいえずふくよかでトロミがあって、少し樽のほろ苦い感じもある、ああいつまでも飲んでいたいと思わせる余韻の長いシャルドネでした。

こういうのを飲んでしまうと普通のシャルドネに戻れないかもしれない…(TдT)

3皿目は、フィナンツェーラというピエモンテを代表する臓物料理。

さきほどのブッシャドール白にもあうし、次に注がれた赤のドルチェット・ダルバ2008にもベストマッチ。

ドルチェットはピエモンテで栽培される早熟なブドウ品種です。
dolce(甘い)とetto(可愛い)という意味がなんともスイートでアルバの人々に親しまれているんだろうな〜、って名前から想像できます。

濃い紫色だけど、タンニンも柔らかで細かく繊細に感じたし、酸味も多くなくて、ラズベリーなどの果実味があってスミレの香りがするような、イタリアの北の地域のワイン!というイメージを持ちました。
前菜にもあう赤ワインですね。勉強になるな。


前菜が3つも続いて次はパスタのお皿。
ピエモンテといえば、タヤリン!これはピエモンテの方言で「切った」という意味だそうで、タリオリーニやタリアテッレと同義なんだそう。

北の地域のラグーソースは、ジビエ的なものが入ってそうなしっかりとした味付けをイメージしてしまいますが、今回は豚肉とキノコをバルベーラワインを効かせてしっかり煮込んだ力強いラグーソース。

いよいよ、ワインもメインのバルバレスコとバローロのネッビオーロに!

4本目は、Bruno Rocca Maria Adelaide Barbaresco 2004

5本目は、Sandrone Barolo Cannubi Boschis 2001(マグナム)

2つめのパスタはカネローニ・ピエモンテ風
ピエモンテを代表する肉料理はボッリート・ミストがあり、これはいろんな肉類やソーセージなどを一緒に茹でる料理。カルナバルでの野外料理で鶏や兎、仔牛や牛、子羊をローストして謝肉祭をした翌日は、残った肉を利用して詰め物パスタ(カネロニ)を作るということにちなんで、豚・仔羊・鶏・ソーセージの入ったカネロニでした。
仔羊がとてもいい風味を出していて、驚くほどバルバレスコとあいました。


肉料理は、蝦夷鹿のロースト、黒トリュフと森の香りのソース

蝦夷鹿のローストの血のしたたるような感じにぴったりな、ジュニパーベリーと赤スグリを使った赤ワインソース。黒トリュフがしっかりきいていて「森の香り」というネーミングに納得。

蝦夷鹿のジビエな印象にバローロ、バルバレスコのネッビオーロが色あいといい、酸味といい本当にぴったりです。

ネッビオーロは勉強のため、イタリアワインの中では結構たくさん飲んだつもりでいましたが、自分が選ぶネッビオーロとこちらでいただいた最高のネッビオーロは同じものなのか?と思うほど、酸味やタンニンの感じが違っていて、果実味が全然負けておらず印象が強い。

今回出されたワイン、すべてお料理に完璧にマッチしていて、お互いがお互いをより一層ひきたてて、口の中でさらに印象が深まる、そんなコース料理とのマッチングでした。



昨年勉強して資格を取得し「イタリア料理研究家」と名乗っていいことになったので(名刺に記載してOKなんだそう)、机上で勉強したことをそのままリアルで実践できて、感激しています。


今回のワイン会は会費設定が高めで、もともと主催者から招待を受けているYさんも、誘える人(ワインが好きでその会費を支払ってでも、喜んで納得してくれる人)が限られていてなかなか誘いづらかったとのことでしたが、このような素晴らしい会を教えてくれて本当に嬉しかった。

会費はある程度高いほうが、一度フィルターにかけられるので会が安心で長く継続できるのだな、ということもわかったし、ビジネスもまったく同じで、その価格でもいいから参加したい、と相手に言ってもらえるような上質なものを提供する目利きにならなければ長く継続できる未来のビジョンはないのだな、とごく当たり前のことを考えさせられた大人のワイン会なのでした。


ヒカル











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